医王善逝(いおおぜんぜい)
医王はすぐれた医者。
衆生の心の病(無明・煩悩)をいやすために法薬を与える意で、仏を医師にたとえた。
善逝は仏、如来のことです。
医王善逝は薬師仏、薬師如来のことです。
薬師如来は、名前の通り人々の病気や苦悩を救済する仏で、原語の直訳は「薬・治療の医師」で、「薬師瑠璃光如来」「大医王仏」「医王善逝」とも呼ばれる。
阿弥陀仏の西方浄土(来世の世界)に対し、「東方の瑠璃光浄土に住して、衆生の現世利益を司る仏」とされ、本来は釈迦如来の別称で、救済活動を具体的に表すため、衆生の苦悩を治療する、医師に変じて教化をなす。
もと菩薩として修行にある時、十二の大願(後述)を誓われ、その行願の結願により、薬の蓋を開いて薬を与え、諸病を即疾に除くことを得たという。
お姿は、右手を揚げ、左手は施無畏印(与願印)を結ぶ形のものや、右手を施無畏印にし、左手に薬の壷を持つのが一般的で、この形も釈迦如来と同様で、前述を肯定している。
又、密教の経軌では脇侍仏として、日光・月光の両菩薩を左右に居して、十二神将(十二大願を十二時、十二月=十二支に護持する守護神)といいます。
- 宮毘羅(ぐぴら)=子
- 伐折羅(ばさら)=丑
- 迷企羅(めいきら)=寅
- 安底羅(あんちら)=卯
- 末儞羅(まにら)=辰
- 珊底羅(さんちら)=巳
- 因達羅(いんだら)=午
- 婆夷羅(ばいら)=未
- 摩虎羅(まこら)=申
- 真達羅(しんだら)=酉
- 招杜羅(しょうとら)=戌
- 毘羯羅(びから)=亥
を前後に従え、八万四千の夜叉が常に守護するとされています。