仏教のことば:「本尊(ほんぞん)」

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本尊(ほんぞん)

本師・本仏として礼拝する尊像。
寺院では本堂内陣の中央正面に安置される。

本尊とは、仏教寺院や各家庭の仏壇において、重要な信仰対象物となる仏像(彫刻品)や掛け軸のことです。基本的に家庭の仏壇には、中央にご本尊が祀られます。

お仏壇の一番奥を須弥壇(しゅみだん)と言いますが、そこに安置されているのがご本尊です。このご本尊は宗派や信仰によって変わってきます。

例えば、浄土宗であれば「舟立弥陀」、日蓮宗であれば「日蓮上人」です。

仏教系の各寺院や信徒の仏壇などにおいて、最も重要視される信仰対象(物)のこと。

宗旨宗派により対象となるものは異なり、代表的なものでは仏像や宗教的絵画・掛け軸(仏絵や曼荼羅など)・書などがあり、如来・菩薩・観音様などが本尊として安置されている場合が多い。

広く知られる本尊としては、東大寺の大仏(毘盧舎那仏)や興福寺の釈迦如来など。

東大寺の毘盧遮那仏(大仏様)のように常時拝観できる場合もあるが、数年(あるいは数十年・数百年)に一度、 一定期間のみ御開帳される秘仏を本尊としている寺院も少なくない。

自宅では、仏壇などの中心に本尊を据え、故人の位牌などを安置する(配置は宗旨宗派で異なる)。

主だった宗派の本尊

浄土宗…阿弥陀如来
浄土真宗…阿弥陀如来
真言宗…大日如来
天台宗…特定の本尊を定めていない
日蓮宗…大曼荼羅・日蓮聖人・阿弥陀如来・釈迦如来・観世音菩薩・薬師如来
法相宗…弥勒菩薩
律宗…盧舎那仏
華厳宗…毘盧遮那仏
融通念仏宗…十一尊天得如来
時宗…阿弥陀如来
臨済宗…特定の本尊を定めていない
曹洞宗…釈迦如来
黄檗宗…釈迦如来

など(※宗旨宗派によっては異なる場合もあります)。

※釈迦如来・毘盧遮那仏などは仏陀(お釈迦様)のことです。
菩薩はお釈迦様の次に悟りを開くものとして敬われています。
ご本尊は他にも、全能の神様、万物の神様といった存在など、信徒さんを導いてくれる存在として大切にされています。

仏壇のなかには仏像が安置されていることは知っていても、本尊が宗派によって違っていることまでは知らない方が多いです。

本尊とは信仰の中心として祀られている仏像や曼荼羅(まんだら)のことです。

本尊は宗派によってそれぞれ異なりますので、菩提寺の宗派に合わせて選びます。
本尊が宗派ごとに異なるのは、各宗派により教義や仏教の理想の求め方が違うからです。

本尊の形式には、お姿のある仏像と、絵像の掛軸があり、寸法は、仏壇内部の大きさに合わせて選びます。
仏像には、木彫仏像や鋳造仏像などがあります。

本尊は菩提寺を通して本山からいただく場合もありますが、一般には仏壇店から購入し、菩提寺の住職に魂入れ(たましいいれ)をしていただきます。

本尊は、仏壇の中心である須弥壇(しゅみだん)の上に安置します。
より丁寧にまつるには、その両脇に脇掛(わきがけ)という、宗派で定めている祖師像などの掛軸を安置します。
掛軸は仏壇の裏板に鋲で留めるか、掛軸台にかけて安置します。

脇侍は、ご本尊である仏様の教えやお導きをサポートするためにいらっしゃる方なのです。

脇侍は、脇士・夾侍(きょうじ)、脇立(わきだち)とも言うそうですが、菩薩や明王、天、高僧がそれにあたる場合が多く、ご本尊と脇侍の組み合わせはほぼ決まっているんですよ。
(ここで”ほぼ”と申しましたのは、かならずしも、固定されているとは限らないようなのです。。。)
このご本尊と脇侍を総称して「三尊仏(さんそんぶつ)」と言います。

ご本尊と仏壇は、長い歴史の中で私たちの日常生活と共にあり、「心のよりどころ」として支えになっていた存在です。
ご先祖様や家族が亡くなった命日に、家族がそろって仏壇に手を合わせる機会を設けることで、家族が一緒に過ごす時間を作ることができます。

また、ご本尊と仏壇は先祖代々からの命のつながりを確認するだけでなく、大切な人を亡くした悲しみを癒すという役割もあります。
「亡くなった人との語らいの場」として仏壇の役割はとても大きいと言えます。