仏教のことば:「袈裟(けさ)」

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袈裟(けさ)

僧侶が衣(ころも)の上に着用する儀礼用の布。
普通、金襴・金紗に紫・黄・青・赤などをまじえて作られる。

糞掃衣(ふんぞうえ)、福田衣(ふくでんね)、法衣(ほうえ)ともいう。

現在日本で使われている袈裟けさは、古代のインドで出家僧が使用していた三衣の発展したものです。三衣とは大衣(重衣)上衣(上着衣)中衣(中着宿衣)の三種類の袈裟のことです。大衣は正装用で托鉢や王宮に招かれたときに着用します。上衣は修行用、中衣は日常生活に使用します。

袈裟は当初、糞のように捨てられたボロ布をつなぎ合わせて作ったところから糞掃衣ふんぞうえとも言います。現在日本で使われている袈裟は、新品の布で作りますが、この名残りでわざわざ小片にした布を継ぎ合わせて作ります。写真の帯状の布で飾られた部分がつなぎ目です。写真では分かりやすくするために、色違いの布を使ったものを取り上げましたが、一種類の布だけで作られるものもあります。

また現在でも、供養として遺品の着物や帯で袈裟を作ることもあります。

大衣は9ないし25の布片で作るところから九条衣(九条袈裟)上衣は七条衣(七条袈裟)中衣は五条衣(五条袈裟)といわれます。

■五条 (ごじょう)
小布を数枚つないだ縦一列を一条と数えます。七条は七列、五条は五列です。肩ひも部分は威儀いぎといいます。

■折五条 (おりごじょう)
五条を細長く折り畳んだものです。畳袈裟たたみげさ折袈裟おりげさともいいます。実際には五条そのものを折り畳むことは出来ないので、畳んではありますが、表面だけしっかりした生地で、中は薄手の生地になっています。日蓮宗系統ではこの袈裟を左肩からたすきの様にかける独特な使い方をします。

■輪袈裟 (わげさ)
折五条を簡略化したものです。生地を畳まずに一つの輪に仕立ててあります。

■半袈裟 (はんげさ)
輪袈裟をさらに略したものです。輪を半分にして紐で連結したものです。

袈裟の梵語はカサ-ヤで、汚濁色の意味です。
日常は色とりどりのカラフルな袈裟を使いますが、修行中は装飾無しの地味な単色ものを使います。カーキ色の語源はカサ-ヤと言われています。

袈裟の意味(袈裟とは)

袈裟とは、僧侶が身につける衣装のことで、インドの僧侶が身にまとっていた布からきた言葉です。

本来、僧侶は出家し、財産になるような私有物を持つことができなかったため、端切れ布を拾い集めて身を覆うための布を作り、それを用いたことから、袈裟が始まりました。

袈裟には、作業着の安陀会、普段着の鬱多羅僧、儀式や訪問着とされる僧伽梨の3種類があり、これに托鉢へ出かけるときの持鉢をあわせて三衣一鉢とよびます。

袈裟の実際

仏教が中国に伝わる頃には、下衣が着られるようになり、装飾的な衣装として完成していきました。

インドでは法衣そのものを袈裟と呼びますが、日本では衣の上にかける長方形の布の部分をさします。

日本に伝わった袈裟は、僧侶の階級や特権を表す衣装として発達しました。
色で階級が区別され、江戸時代には紫衣、紫袈裟は、天皇の勅許と言われる許可が必要な高僧のシンボルとなりました。このころの一般の僧侶は黒い袈裟を着ていました。

右肩を出し、左肩を隠すようにしてかけるのは、左が不浄とされているためといいます。

小さい布を縫い合わせ、縦につないだものは条と呼ばれ、これを横に縫い合わせて行って作ります。条の数が多い方が尊重されるといいます。