仏教のことば:「九品(くほん)」

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九品(くほん)

九種類という意味です。
浄土教で分けられた九つの階位。
上品上生、上品中生、上品下生、中品上生、中品中生、中品下生、下品上生、下品中生、下品下生、の九つ。
九品浄土、九品弥陀、九品印、九品往生などといいます。
九種類の浄土、往生などがあるということです。

九つのパターン

浄土教では、生前の行いによって、極楽浄土に生まれ変わるとき、九つのパターンがある、とされています。
九つのパターンは、上中下の三品と、上中下の三生の組み合わせで表されます。

九つのパターンは、極楽浄土から迎えに来る仏様のメンバーや乗り物などが異なります。

迎えに来るメンバーは、すでに仏に限りなく近い人には、華やかな迎えが来ます。足りない所がある人には、相応の修行をする為に、インストラクタ的な仏様達が実質的に迎えに来ます。下品下生で乗り物だけが配車されるのは、まずお念仏だけでも唱えないと極楽往生できませんよ、ということを表しています。

また、極楽で一人前の仏様となるまでの時間も、それぞれ異なります。上品上生は1~7日、上品中生で1小劫、以下だんだんと長くなり、下品下生では12大劫かかります。

お経によっては九品浄土と呼んで、行き先も異なる、とする説もあります。

いろいろな九品

●九品の弥陀くほんのみだ 九種類の浄土に居る九種類の阿弥陀様。

●九品印くほんいん 九品の弥陀を分かりやすく表す九種類の印相。

●九品の念仏くほんのねんぶつ 九種類の調子で読むお念仏。

●九品蓮台くほんれんだい 臨終のときに浄土から迎えに来る九種類の乗り物 (表の右端の列)

私たちは毎日の生活の中で人の性質・態度や、物の善し悪しを表現するとき「品性・品格・品」という言葉を使い、「あの人は上品な人だ」「下品な言い方はやめなさい」「下品な色」というように人や物にそなわる様子や風格を表す時には「上品・下品」という言葉を使います。

一般的にこれら上品・下品などいわゆる品について考えるとき、その人にそなわっている人間性や風格の優劣を、また物については出来映えなどを指しますが、これらの言葉は仏教においては別の意味があります。

まず、仏典において「品」には2つの意味があり、一つ目はサンスクリット語vargaの訳で「同類のまとまり、段落」の意。二つ目はサンスクリット語prakaraの訳で「種類」を意味します。
また、大乗仏教経典の一つ『観無量寿経(かんむりょうじゅきょう)』によると、阿弥陀仏の世界である西方極楽浄土に往生する人を生前に積んだ功徳の違いに応じて9種類に分類しており、これらを総称して「九品(くほん)」と言います。

その九品とは、

上品上生(じょうぼんじょうしょう)
三心に象徴される深く往生を願う心を持ち、大乗方等経典を読誦する人。

上品中生(じょうぼんちゅうしょう)
大乗方等経典を読誦しなくてもその意味をよく理解し、深く因果を信じ、大乗を誹謗しない人。

上品下生(じょうぼんげしょう)
因果を信じ、大乗を誹謗せず、ひたすらに悟りの道を求める人。

中品上生(ちゅうぼんじょうしょう)
五戒・八戒を守り、五逆を行わない人。

中品中生(ちゅうぼんちゅうしょう)
一日二十四時間、八戒もしくは沙弥戒(十戒)もしくは具足戒を守り、規律正しい行動が出来る人。

下品上生(げぼんじょうしょう)
大乗方等経典を誹謗しないが、悪業を働き、恥じ入ることのない人。

下品中生(げぼんちゅうしょう)
五戒・八戒および具足戒を犯し、寺院や僧侶のものを盗み、間違った説法をしても恥じ入ることのない人。

下品下生(げぼんげしょう)
五逆・十悪、不善を行う人。

以上のように、本来は全く違った意味を持っていた仏教用語の「上品・下品」が、やがて現在私たちが使うような、人の性質・態度、物の善し悪しを表す言葉として定着してきたということです。