仏教のことば:「五欲(ごよく)」

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五欲(ごよく)

人間の欲望を起こす色・声・香・味・触。
また、財欲、色欲、飲食欲、名誉欲、睡眠欲のことです。

欲望は、モチベーションの源であり、私たちの行動の原動力です。
何をするにも、欲望に突き動かされています。

これがいいことならいいですが、(そして、自惚れ強い私たちは、いいことだと思い込んでいるのですが)ほとんど悪いことばかりです。

代表的な欲望を、仏教で「五欲(ごよく)」と教えられています。

1.食欲(しょくよく)
2.財欲(ざいよく)
3.色欲(しきよく)
4.名誉欲(めいよよく)
5.睡眠欲(すいみんよく)
の5つです。

1.食欲とは、食べたい、飲みたい心です。
「すべての生きとし生けるものは、食べることによって生きている」と経典に書いてあります。
ここでの食欲とは、生理的な欲求はありません。
お腹が空いたら食べなきゃいけません。餓死しちゃいます!
食に対する欲求とは「食にとらわれる」ことです。だから、断食も含まれます。
あとは、何が食べたいーって強く思うことです。
お釈迦さまは与えられたものはすべて食べたと言われています。

食べ物が乏しく、お腹がすいてくると、強烈に食べたくなります。
食べ物に困っていない人も、グルメになってきて、美味しくないものに文句を言い、
美味しいものが食べたくなります。

2.財欲とは、お金が欲しい、物が欲しいという心です。

人はお金持ちになりたいって思います。
「鳥は食べ物のために死ぬのに、人はお金のために死ぬ」なんて言われたりもします。
人生の中の努力をほとどんお金のために費やすお人もいるのではないでしょうか。
毎日、少しでも安いスーパーに買い物に行き、1円でも安いものを買い物したりします。欲しいものがあるのに、お金が足りないから買えず、寂しい気持ちになっています。
職場の友人やお隣さんが持っているものは、自分も欲しくなります。
収入が下がったりすると、ものすごく苦しみ、少しでも収入をアップさせようと苦しみます。

3.色欲とは、男が女を求め、女が男を求める心です。
異性を性欲のために求めることです。
好きな人に愛されたい、男女ともに性欲が抑えきれずに苦しみます。
結婚しても、結婚相手以外の人が好きになり、周囲のウワサになります。
パートナーに見つかると、死ぬまで許してもらえず苦しみ続けます。

4.名誉欲とは、ほめられたい、認められたい、馬鹿にされたくない、という心です。
目立って和を乱したり、自慢話ばかりしたり、見栄をはったり、有名になりたいって名誉を求めることです。
挨拶をして、挨拶が返ってこないだけで怒ります。
意図的に無視されたり、相手にされないと、軽んじられている気がして、その人が嫌いになります。
他人が自分の噂話をしていると、すごく気になります。
インターネット上の掲示板に何か悪いことが書き込まれていたら、ショックを受けます。少しでも認めて欲しい、理解されたいのに、話を聞いてくれたり、認めてくれる人はほとんどいないので、苦しみます。

5.睡眠欲とは、
これも、生理的な欲求ではありません。
人は一般的に毎日、7~8時間ぐらい、1日の約三分の一を寝ています。
それ以上に、寝過ぎたり、寝過ぎなかったりするのは、ちょっと体調とか心の調子を崩します。
眠たい心のほかに、少しでも楽がしたい心も睡眠欲に入ります。
他の人のいびきや、歯ぎしり、蚊が飛ぶ音など、少しでも睡眠欲が妨げられると苦しみます。
睡眠欲によって朝起きられないと会社に遅刻したり、待ち合わせに遅れたり、不幸な結果を招きます。
そして、積極的に働くのは面倒だから、何も考えないで生きたほうが楽でいいと、少しでも休もうとします。

この5つの欲(欲求・欲望)は人によって、偏りがあります。

欲界は、全部で6段階あり(六道輪廻と同じ数字ですね)上に行けばいくほど、欲が薄くなると言われています。

人は、自分の欲のために、忙しくなって、一生を憂えたり、いろいろ動いたり、挫折したり、傷ついたり、悲しんだりして、欲にとらわれてしまいます。

そのため、お釈迦さまは法華経などのお経(経典)の中で、「有れば有るで悩み、無ければ無い

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で悩む」と説かれています。