仏陀(ブッダ)の生涯(2)仏陀誕生の時代背景

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仏陀誕生の時代背景

仏陀(ブッダ)が生まれるシャーカ族の国は、ヒマラヤ山脈の麓(現在のネパールのタラーイ盆地)にありました。
当時、ガンジス川流域には、16の大国が競い合っていましたが、中でもマカダ国、ヴァンサ国、アヴァンティ国、コーサラ国は四大王国として君臨していました。
シャーカ族のゴータマ・シュットダナ王は、このコーサラ大王の庇護を受ける小領主でした。
シャーカ族は、北方のアーリア系人種なので、ギリシャ人のようなくっきりとした目鼻立ちをしていたようです。

この頃、インドの宗教は古代祭祀を受け継ぐバラモン教でした。
支配階級の多くのバラモンが、権力を利用して民衆をだましたり、娯楽におぼれたりしていました。

ヴェーダ文化

彼らが築いたヴェーダ文化も無視されるようになりました。
また農業生産向上により経済生活が豊かになり、交易も盛んにな、農村的閉鎖社会は解放されてきました。

商工業者中心の都市型社会も次第にできてきていました。

会議もバラモンの一方的な神託訓示型ではなく、長老達による民主的で自由な話し合いの方式になりました。

こうした自由化されていった社会の背景も、バラモン的社会階級制度が崩れて、バラモンの権威が薄れる要因だったかもしれません。

古代バラモンの宗教的な権威の失墜と共に、拠り所を見失った世の人々の道徳や倫理観も若干低下してきました。

何もかもが混沌とした時代。

信頼を失ったバラモンに代わって、王族(クシャトリア)が民衆の上に立つようになりました。

また、一方で、バラモンを否定するジャイナ教のような新しい宗教も起こっていました。

「霊魂は”業(人間が本来持っている欲望)”に支配されていて苦悩しているのだから、苦から脱け出すには、苦行によって過去の業を滅し、新しい業も防ぎ、魂を浄化させる。

そのために、出家して修行僧とかビクと呼ばれる修行者となれ」と言う教えです。

修行僧には、「不殺生・真実語・不盗・不淫・無所有」の厳しい五大戒が守らされました。

こうした修行者は、托鉢乞食の生活をしながら苦行するのですが、こうした修行者を尊敬して食物を供するのも当時の一般的な風習になりました。

世を離れて遊行生活を送るのは、何も特別な人々だけではありませんでした。

当時、男が家を離れて遊行に出るのは、決して珍しいことではなかったようです。

王子である仏陀(ブッダ)が若き日に出家すれば一国の一大事なのですが、それが許されてしまうのもこう言う時代背景がだと思います。