仏教のことば:「五つの障り。(いつつのさわり)」

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五つの障り。(いつつのさわり)

女性は梵天、帝釈天、魔王、転輪聖王、仏身に成れないとする考え方。

五障(ごしょう)とは、ブッダ入滅後かなり後代になって、一部の仏教宗派に取り入れられた考えで、女性が持つとされた五つの障害のことである。「女人五障」ともいう。

「五障」とは、五つの障りということで、

一、釈尊当時のインドの宗教であるバラモン教で、最も崇拝された梵天王になることができない。

二、インドの神々の帝王である帝釈天になることができない。

三、人命を害し、人の善事を妨げる魔王になることができない。

四、偉大な統治者である天輪王になることができない。

五、自ら真理をさとり、他人に真理をさとらせる究極の覚者、すなわち仏に成ることができない。

ということです。

仏陀の説かれたところを正しく聞き、実践すれば、すべての人が間違いなく仏になるという教えが仏教です。

その仏教の教えの中に「女人は仏になることができない」という「五障」という考えがあれば、女性だけでなく、本当に仏教を聞いている人ならば、抵抗感がありますね。

これは、実は仏教の説ではなく、いろんな学者の指摘によると、釈尊出世以前からインド社会にあった女性蔑視の考え方みたいですね。

ヒンズー教によって作られたものであるらしいことが判明しています。

それがいつの間にか、あたかも仏教の真理であるかのように中国、朝鮮、日本へと伝わって、蓮如上人の「御文」の中にも表現されたという歴史があるのです。

この説が根拠となって、女性は仏教の救いから排除され差別され続けてきたというのが、日本仏教の伝統になっていたのです。