第二章はげみ(1)
第2章は、不死とか死の意味についてまとめています。
死と言うのは生物としての生命の収束を意味するものではありません。
生きがいを持たず、惰性で生きているような生活は生きていることの価値はないことを死と表現しているのであり、不死というのは、充実感あふれる生活を送っていることを意味するのです。
努力して務め励むということももう少し意味があるようです。
単に我武者羅な努力、例えば毎日の深夜残業のようなこととは多少違うようです。
もちろんそういう努力も包含されますが、もっと広い意味で捉えなくてはなりません。
たとえば、恨みに堪え、恨みを捨てる努力をも言っていると思います。
そのような努力をすること自体が不死の境地であり、充実した生活となるのです。
反対に、恨みを怨みとして持ち続け、これを捨て去る努力をしない人は、いつまで経っても楽しく充実した生活を送ることはできません。
死の境地だと表現されているわけです。
般若心経では、死と言うことについて、無、即ち空だといっていますが、ここではもう少し現実的に捉えているようです。