仏教のことば:「解脱(げだつ)」

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解脱(げだつ)

のがれることです。
解き放たれることです。
苦しみから解かれのがれることです。
束縛から解かれて精神が自由になることです。
迷いを離れ、真実を悟り、完全な精神的自由を得ることです。

「解脱」は、生きている者が「俗世間の束縛や迷い、様々な苦しみから抜け出し、悟りを開くこと」です。また、死者の霊の場合は、「修羅(しゅら)の妄執(もうしゅう)から逃れ、魂が浮かばれること」を言います。

仏教の教えの中にある解脱は、全ての煩悩による自己の繋縛から「解き放たれ」、己を縛る執着から「脱却する」ことです。

煩悩による繋縛の状態、何度も巡り繰り返し苦しむ状況を輪廻の輪といいます。生まれ変わりを信じる仏教では、今の生き方が死後、さらに生まれ変わった次の生に強く影響すると考えられています。

人間にとってこの世は魂が進化するための「修行の場」ととらえています。様々な苦を背負って生きる輪廻転生の輪から解脱するためには、今どう生きるかを戒めるとともに、より仏の道を信じて善行を積む修行の道を説いています。

涅槃とは、解脱により煩悩から解き放たれ、輪廻の輪を逃れた悟り世界を指します。あらゆる苦しみから解き放たれ、自由の境地に達することを「涅槃の境地」または「悟りの境地」と言われています。

仏教でいう「ニルヴァーナ=涅槃」は、人間の持つ本来の欲望を絶って、人間性を失う自我の寂滅(消滅)ではなく、欲望によってかき乱されることのない心の平穏を得て魂の進化を図ることとされています。

修行により解脱した僧侶などを「解脱上人(げだつしょうにん)」と称したり、僧侶たちが身に着ける法衣の袈裟(けさ)のことを「解脱幢相(げだつどうそう)」や「解脱の衣」と呼んで解脱を表現しています。

・心解脱(しんげだつ)「こころの解脱」
わるい感情の煩悩(ぼんのう)を「消滅させる・止める・出てこないように」すること

・迷いの「苦」を脱すること。迷いの「世界」を渡り終える意味の「解脱」
度脱(どだつ)ともいい、解脱を得ると得脱(とくだつ)とも言われる。

・慧解脱(えげだつ)「ちえの解脱」
ありのままの世界を見ることです。四諦の理解。

・煩悩をとめて「こころの解脱」、真理をみて「ちえの解脱」
両方で「倶分解脱」(ぐぶんげだつ)

・もともとの意味は涅槃と同じように、仏教の修業完成者の境地が「解脱」
しかし、のちにさまざまな意味に分類される

・別解脱律儀(べつげだつりつぎ)
出家者、在家者が受戒で守られる戒律の意味
在家者の「五戒・八斎戒」
紗弥・紗弥尼の「十戒」
比丘「227戒(250戒)」
比丘尼「311戒(348戒)」

・八つの解脱(八背捨)(4~7は無色界の四禅)
1、色にこころを集中(色界の禅にはいる)
2、内に物質的存在の想いもない
3、浄らかであると確信する
4、空無辺処
5、識無辺処
6、無所有処
7、非想非非想処
8、想受滅

執着心や欲望を断てばいいということですが、
生命の魂を六道に止めているものがあるのだが、それが執着心や欲望なので、
だから執着心や欲望を断つ事ができれば、輪廻から解放されるということですが、

これがなかなかできないことですね。