仏教のことば:「帰依(きえ)」

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帰依(きえ)

帰も依も「よる」の意味です。
帰命ともいいます。
すぐれたものに帰順し、よりすがることです。
絶対の帰順。
信じてよりすがることです。
まごころを捧げる。
信仰の意味です。
絶対の信を捧げ、よりどころとすることです。

すぐれた者 (特に人格者) に対して,全身全霊をもって依存すること。仏教では特に,信仰をいだくことに用いられる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

帰依とは、仏教用語のひとつです。尊いものに対して全身全霊で信じ、拠り所にすることから深く進攻することを表しています。サンスクリット語の「namas」に由来し帰命、南無とも言われ、敬意を示し仏の教えを信じ、仏の教えに従うことを表しています。

仏教の教えに従って生きていくとは、仏教の中で大切とされる三つの宝を「三宝」と言い、三宝を拠り所とすることを「帰依三宝」と言います。

「帰依三宝」とは「仏・法・僧」

三宝の「仏」は仏像のことではなく、仏陀つまりお釈迦様のことを表しています。お釈迦様のことを敬い心の拠り所とすることを意味します。

「法」とはお釈迦様が説いた仏法のことを意味しています。

一般的に言われている「僧侶」のことではなく、仏道修行する僧の集団を表しています。和合衆とも言われます。仏陀の教えである「法」を実行し、次の世代に教える役目とされています。

「帰依」とは「信仰」のこと

「帰依」とは、神仏を尊いものとして崇め、その教えを拠り所として守るという意味の名詞です。仏教用語のひとつであり、語尾に「する」を付けて「仏道に帰依する」という使い方が一般的です。仏教に限らず特定の団体の教えを守ることや、広い意味で高次元の存在を信じる場合にも用いられ、そのような人のことを「帰依者(きえしゃ)」と呼びます。

「帰依処」は「避難場所」

「帰依」という熟語は、“本来あるべき場所に戻る・おさまる”という意味を表す「帰」と、“よりかかる・頼みとする”という意味をもつ「依」の2文字からできています。

「帰依」の中心であり、究極の救いを表したのが「帰依処(きえしょ)」という言葉です。

人があらゆる危険から逃れることのできる唯一の「避難所」と訳されることもありますが、本来いるべき場所という意味で「仏」と同一視されることもあります。

お釈迦さまは「自己を帰依所とせよ」と弟子たちに教えました。

「自己」とは、煩悩や迷いに満ちた自分自身ということではなく、悟りを開いた「真の自己」とだと思います