仏教のことば:「斎(とき)」

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斎(とき)

小乗仏教の僧侶は正午以前に食事をとり、それ以後は摂らないが、食事をしない時間を非時(ひじ)といい、食すべき時の食事を時食、斎食といいます。

そのことから、僧侶の食事や法事での食事を斎といいます。


元来は僧の食事。
「斎」の意味は神仏をまつる前に飲食や行いを謹んで心身を清めたり、神事を行うことをいいます。
関東では、通夜振る舞いや精進落としの宴席を「お清め」と呼ぶこともあり、地方によっては、「出立ちの膳」といい、出棺前に食事を出すこともあります。

おとき
時,斎食 (さいじき) ,時食ともいう。
斎とは,もともと不過中食,すなわち正午以前の正しい時間に,食べ過ぎないように食事をとること。
以後の時間は非時といって食事をとらないことが戒律で定められている。
現在でも南方仏教の比丘たちはこれをきびしく守っている。
後世には,この意味が転化して肉食をしないことを斎というようになり,さらには仏事における食事を一般にさすようになった。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

お斎の「斎」という字は仏教の用語「斎食(さいじき)」からきています。
これは、正午や決まった時刻にとる食事を指す言葉ですが、法要などを執り行なった際の食事という意味も含まれます。
お斎と表記する場合には「おとき」と読みます。

法要の後、施主が列席者を招待して行なう食事(会食)の場をお斎(おとき)と言います。
お坊さんや参列者に対する感謝の思いを示した席であり、参列者全員で思い出話をして故人を偲ぶ目的もあります。
お斎(おとき)を省く場合、法要後、施主が挨拶を行なう時のその旨を告げ、返礼品等をお渡しします。
また、お坊さんのみ席に参加されない場合、「御膳料」をお包みするのが通例です。

〝斎〟という言葉には「正しい」「慎み」という意味があります。

古来より日本仏教では、斎(とき)という言葉で、〝正しく慎み深い僧侶の食事=精進料理〟を表してきたわけです。

昔、お寺では正午よりも後に食事を取ってはいけない決まりになっていたのです。

やがてお寺の食事から法事の後に食べる食事へと意味が変化していったのです。

この変化には死者が出た時の民間の習慣も影響していると言われています。

昔は人が死ぬとその親族にけがれが付くと考えられ、そのけがれを除去するため一定期間、精進潔斎して人との接触を避ける忌籠り(いみごもり)をしました。

その忌籠りの間に食べる食事を斎食(さいじき)といいます。

ですから、仏教の斎と忌籠りの斎食が混同されていき、次第に法事で死者の供養をした後に取る食事をお斎というようになったのです。

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