仏教のことば:「色即是空(しきそくぜくう)」

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色即是空(しきそくぜくう)

色とは形あるものの意味です。
物質の一般。
すべて形あるものは、因縁によって生じたものであり永劫不変の実体がない、ということです。

色即是空空即是色とは、この世にあるすべてのものは因と縁によって存在しているだけで、その本質は空であるということですね。

般若心経は「空(くう)」という真理にのっとって、存在がどのように存在しているのかを説いた経典です。

色即是空という言葉は、「あらゆるものは空である」といった意味の言葉であり、般若心経の中核を突く言葉であるといえる。
色即是空を説きたいがために般若心経が存在している、

また、その空がそのままこの世に存在するすべてのものの姿であるということ。

両者はどちらも真理で、どちらかのみでは完全な円にならずに半円で終わってしまう。
空を理解しようと思うなら、円満な満月のような理解でなくては正しくない。
明るい無常観を掲げた人のように、存在を生みだす真理もまた空であることを忘れてはいけない。
般若心経が色即是空の後にすぐ空即是色と説いているのは、そのためですね。

「色即是空 空即是色」
ともにあって1つの円。
それが空の真理です。

「この世のすべてはどのようにしてできているのか」について、仏教では、「一切法(万物)は因縁生なり」(大乗入楞伽経)
と教えられています。

「すべてのものは因と縁がそろってできている」
ということです。

因縁が離れたら、実体はなくなります。
それなのに私たちは、空ということが分からないので、いつまでも変わらないと思っています。

そこに執着が起きて、苦しみます。

自分のお金は、「これはいつまでも自分のお金」と思っています。
しかしそれは因縁がそろっている間だけのことで、因縁が離れると、そのお金は他人のものとなって、苦しみます。

自分の家は、いつまでも私の家と思っています。
ところが火事や地震がくれば、因縁が離れて私の家はなくなってしまい、非常に苦しみます。

私の肉体や命は永遠にあると思っていますが、やがて老いや病気、事故など、縁がくれば、因縁が離れて肉体はなくなり、人生は終わります。

このように、仏教では、教えの根幹である因果の道理によって
やがて必ず終わって行く、ありのままの人生のすがたを教え、苦しみ悩みの根本原因と、生まれてから死ぬまでに果たさなければならない
本当の生きる目的を教えられています。

色は刻々と変化します。
そこに存在があるように見えて、次ぎの瞬間には変わってしまうような存在であるからこそ、空であるとしたのです。
その空もさまざまな縁があるから存在が見えるのだから、大切に毎日を過ごすべきという教えです。