仏陀真理のことば:第一章ひと組みずつ(2)

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第一章ひと組みずつ(2)


ものごとは心にもとづき、心を主とし、心によってつくり出される。
もしも汚れた心で話したり行ったりするならば、苦しみはその人につき従う。
──車をひく(牛)の足跡に車輪がついて行くように。

□ちょっとわかりやすく
すべてのことは、心から始まり、結果が作り出される。
だから、正しい心を持って行動しなければ、良い結果はうまれない。


ものごとは心にもとづき、心を主とし、心によってつくり出される。
もしも清らかな心で話したり行ったりするならば、福楽はその人につき従う。
──影がそのからだから離れないように。


「かれは、われを罵った。
かれは、われを害した。
かれは、われにうち勝った。
かれは、われらから強奪した。
」という思いをいだく人には、怨みはついに息(ヤ)むことがない。


「かれは、われを罵った。
かれは、われを害した。
かれは、われにうち勝った。
かれは、われらから強奪した。
」という思いをいだかない人には、ついに怨みが息む。


実にこの世においては、怨みに報いるに怨みを以てしたならば、ついに怨みの息むことがない。
怨みをすててこそ息む。
これは永遠の真理である。

□ちょっとわかりやすく
怨みの連鎖を断ちきるのは、怨みを捨てるしかない。


「われらは、ここにあって死ぬはずのものである」と覚悟をしよう。
──このことわりを他の人々は知っていない。
しかし、このことわりを知る人々があれば、争いはしずまる。


この世のものを淨らかだと思いなして暮し、(眼などの)感官を抑制せず、食事の節度を知らず、怠けて勤めない者は、悪魔にうちひしがれる。
──弱い樹木が風に倒されるように。


この世のものを不淨であると思いなして暮し、(眼などの)感官を抑制し、食事の節度を知り、信念あり、勤めはげむ者は、悪魔にうちひしがれない。
──岩山が風にゆるがないように。


けがれた汚物を除いていないのに、黄褐色の法衣をまとおうと欲する人は、自制が無く真実も無いのであるから、黄褐色の法衣にふさわしくない。

10
けがれた汚物を除いていて、戒律をまもることに専念している人は、自制と真実とをそなえているから、黄褐色の法衣をまとうのにふさわしい。

11
まことでないものを、まことであると見なし、まことであるものを、まことではなしと見なす人々は、あやまった思いにとらわれて、ついに真実(マコト)に達しない。

12
まことであるものを、まことであると知り、まことでないものを、まことでないと見なす人は、正しい思いにしたがって、ついに真実(マコト)に達する。

13
屋根を粗雑に葺いてある家には雨が洩れ入るように、心を修養していないならば、情欲が心に侵入する。

14
屋根をよく葺いてある家には雨が洩れ入ることが無いように、心をよく修養してあるならば、情欲の侵入することか無い。

15
悪いことをした人は、この世で憂え、来世でも憂え、ふたつのところで共に憂える。
かれは、自分の行為が汚れているのを見て、憂え、悩む。

16
善いことをした人は、この世で喜び、来世でも喜び、ふたつのところで共に喜ぶ。
かれは、自分の行為が淨らかなのを見て、喜び、楽しむ。

17
悪いことをなす者は、この世で悔いに悩み、来世でも悔いに悩み、ふたつのところで悔いに悩む。
「わたくしは悪いことをしました」といって悔いに悩み、苦悩のところ(=地獄など)におもむいて(罪のむくいを受けて)さらに悩む。

18
善いことをなす者は、この世で歓喜し、来世でも歓喜し、ふたつのところで共に歓喜する。
「わたくしは善いことをしました」といって歓喜し、幸あるところ(=天の世界)におもむいて、さらに喜ぶ。

19
たとえためになることを数多く語るにしても、それを実行しないならば、その人は怠っているのである。
──牛飼いが他人の牛を数えているように。
かれは修行者の部類には入らない。

20
たとえためになることを少ししか語らないにしても、理法にしたがって実践し、情欲と怒りと迷妄とを捨てて、正しく気をつけていて、心が解脱して、執著することの無い人は、修行者の部類に入る。

□ちょっとわかりやすく
怠惰は邪悪のもとであり、努力は正しい生活のもとです。