仏教のことば:「化仏(けぶつ)」

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化仏(けぶつ)

仏・菩薩が神通力で、仮にこの世に姿を現すことです。
衆生の性質や能力に応じて種々の姿を現す化身。
仏の分身。
衆生済度のため姿を変えた仏。
本地仏を表すための頭部の仏。

観音像の宝冠に小さな仏像が付いている事がよく有ります。
これは化仏と言われます。
化仏の本来の意味は、「化身(けしん)、応身(おうじん)、応化身(おうげしん)、変化身(へんげしん)」等といわれる事ですが、如来が衆生を救う為に姿を変えて現れたものです。
化仏をつけた観音菩薩が如来の応化身(おうげしん)であるなら、観音そのものが「化仏」という事になりますが、実際の像では、応化身である事の象徴として、本地如来の小さな像を宝冠につけていて、その小さな像の事を化仏と呼んでいます。
この場合の化仏は立像の場合と座像の場合と二通りがあります。

光背に数多くの如来をつけている場合がありますが、これれも化仏と呼ばれます。
これらは一つ一つが如来の分身とされ、いろいろな異なる働きを象徴しているとされています。

頭部に如来だけで無く菩薩やその他の頭部が付いている場合があります。
これらも化仏といわれます。

如来が、色々な姿に変化したもので、やはり多くの働きを象徴しています。

微妙な違いでわかりにくいですが
1)化仏そのものが如来の分身、応身。
2)如来の応化身である事の印し、象徴
3)如来のいろいろな変化身(如来以外の像)がついて、その働きを象徴するもの。

密教の像では、さらに多くの働きを象徴して多面多臂多眼の像が多く作られています。

応身 (おうじん)とは、サンスクリット語で「ニルマーナ」といわれ、「応現した身体」という意味で、「化身」(けしん)と同じ意味、応化身、変化身、ともいわれる。
言葉の意味は同じですが、細かく区別され使い分ける場合もあります。

化仏(けぶつ)とは、衆生の教化・救済のために、仏や菩薩が相手に応じ、姿を変えた状態のことをいい、「変化仏」・「応化仏」ともいわれます。
また、仏身論的には、その存在は応身・化身といいます。