仏教のことば:「阿闍梨(あじゃり)」

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阿闍梨(あじゃり)

梵語アーチャルヤ、アーチャリヤまたは、トカラ語アーシャリ、アシャリの音写。
バラモン教で祭式の教授者の意味です。
仏教でも戒を授け読経などを指導する師僧の意味です。

サンスクリット語 で師匠の意味です。

文字どおりの意味は,伝統的な正しい態度,習慣や,確定された規定などを知り,保ち,実行する人の意。師を意味するほかの言葉グル guruに比して非常に古く,『アタルバ・ベーダ』にすでにみえる。上級カーストの少年になされる入門式,およびその教育の期間に指導教育するバラモンが,こう呼ばれた。仏教においても同様で,精神的な指導をする僧侶をさし,特殊な場合は戒を授ける師をさす。日本では僧職の一つに用いられる。

阿闍梨とは、弟子の模範になるような位の高い僧侶のことを言います。

阿闍梨は、梵語のアーチャーリヤの音写で、日本語に訳すると軌範師、教授、正行という意味があります。

一般的に仏教で阿闍梨と言えば、弟子を教える規範となる師であり、僧侶の階級の名称ということになります。

密教では、決められた修行を終え、伝法灌頂を受けた僧侶を阿闍梨といい、伝法灌頂の位を持っている天台宗や真言宗の僧侶の総称になっています。灌頂の師とも言われています。

加行と授戒を経て伝法灌頂を受けた僧は、阿闍梨となって、弟子に伝法をすることができるようになります。これは伝法職位とも言われるものです。

両界曼荼羅の諸仏を供養する法会の導師で、勅旨という天皇の意思によって修せられる法界を執行します。

天台宗には阿闍梨の上に大阿闍梨という職位があり、千日回峰行などの難行苦行の修行を修めた僧侶だけに与えられる称号になっています。

一般的に阿闍梨の職位を取ると伝法灌頂を終え、各本山で3年ほど務めを行い、その期間も含めて10年程度で一流伝授の資格が得られ、そこで弟子に指導ができるようになるとも言われています。