仏教のことば:「奈落(ならく)」

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奈落(ならく)

地獄のことです。
仏教における地獄。また地獄に落ちること。


地獄の意。サンスクリットのナラカnarakaの音訳語で、那落迦、捺落迦、那羅柯とも記す。漢訳では地獄のほか、悪道、不可楽、不可救済、非行、闇冥(あんみょう)と訳す。同義語にニラヤniraya(泥犂、泥黎耶)がある。生前に悪業(あくごう)をなした者が、死後その報いとして呵責(かしゃく)を受け罪を償う地下の牢獄(ろうごく)をいう。転じて、物事のどん底、どん詰まりの意に用い、また、劇場の舞台や花道の下に設けられた地下部分をもいう。出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)

失意に打ちのめされ、呆然とする様子を「奈落の底」と表現します。

「奈落の底」とは、「地獄の底」という意味です。

梵語(古いインドの言葉)では悪事を働いた人間が死後に落ちる地獄を「ナラカ」と呼び、 それが中国で「奈落」と訳され、日本でもそのまま使用されるようになったそうです。仏教国のタイでも地獄のことは「ナラック」と呼ばれているそうです。

ちなみに、劇場などで舞台下に舞台装置などを置いている地下室を「奈落」と呼びますが、 これはその地下室が暗くてジメジメしていてまるで奈落の底のようだと連想されて名づけられたそうです。

「金輪奈落」について

物事の極限のたとえ。
または、絶対にや、どこまでもということ。
「金輪」は大地の一番の深い底。
「奈落」は地獄のこと。
仏教の言葉で、仏教の世界観での三つの大輪の一つで、大地の下にあり、下から順に風輪、水輪があって、その上にあるとされている。

仏教では、地獄思想が説かれ、奈落とは悪人が死後に辿り着く地下の世界や、恐ろしい地下の牢獄をさしています。
底知れぬ深い場所、永久に浮かばれないような場所から現代使われている「物事の最終であるどん底」を意味するようになったと言われています。

日本では劇場にある舞台の床や花道の床下にある回り舞台やせり出し装置がある地下室が「奈落」と呼ばれています。
その小さくて暗い地下室が奈落の底の意味の由来だと思っている人も多いのではないでしょうか。

舞台下が奈落と呼ばれ始めたのは、華やかな舞台上とは異なり、湿っぽく真っ暗で、まるで地獄のようであった為だと言われています。

また一説によると、「華やかな舞台の裏には常に嫉妬があり、それが怨念となった魔物が薄暗い舞台下に潜んでおり、時折これが悪さをするから舞台事故が起こる」とかつては信じられていたことによるものとも言われています。