仏教のことば:「勧請(かんじょう)」

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勧請(かんじょう)

仏や神がある場所に出座して、衆生教化するよう乞い願うことです。

勧め請うという意味の仏教用語です。本来の「勧請」とは仏様がいつでもこの世におられて人々を教え導いてくださるようにお願いすることです。また、高層などを懇請して迎えることです。釈迦が悟りを開いたとき、梵天がきて法を説くように請い願ったことを「梵天勧請」といいます。

もともと、仏神の加護を願うことを勧請といいました。
仏に守って貰うためには仏様に自分の土地に来て頂き祀るのが一番の方法と考えられていたようです。
魂を分けていただき、その分け御霊を自分の土地に招いて祀るようになったと推測されます。

分霊といえば御霊分け(みたまわけ)をする事を指し、勧請は別の土地なり、自宅なりに分け御霊を招き入れる事をさします。
分霊の多くは勧請するために行うので、分霊といっても大きなくくりで勧請と同じ意味にも使われますね。

毎日の勧請

朝夕のおつとめでは、「これから御法味(読経、唱題)を捧げますからどうかお出でください」といったご招待の意味でおつとめの始めに勧請します。「ご本尊様、ご先祖様おつとめをしますからお受けください」と述べます。

通夜・葬儀の勧請

臨終の際の枕経やお通夜の勧請は、法要の場に諸仏、諸尊の降臨を仰ぎます。また、葬儀の際も久遠釈尊をはじめ四菩薩、諸仏諸尊などをお招きするために勧請文を読み上げます。

勧請とは、自分の家にご本尊さまをお迎えし、そしてお祀(まつ)りします。

祀るとは、仏さまと私たちの間(ま)を詰め寄せる、仏さまと離れている私たちの心を引き寄せていくということではないでしょか。
それは、真理・法を認識して、実践することだと思います。

愛される者は愛される、感謝する者は感謝されるといった、仏さまが教えてくださったことを実践していく。それが勧請の意味だと思います。