蒲の葉で編んだもの、つまり、[蒲]の葉の[団]円、つまり、文字通り蒲団
私たちが毎日お世話になるものに蒲団(布団・ふとん)があります。
蒲団「布団」と書く場合もあるが、あれはあくまで当て字です。
もちろん、寝具を指すことばですが、実は、元来は坐禅に用いた敷物のことを意味した言葉です。
「蒲団(ふとん)」の解釈は二つに分けることができます。
一つは、僧侶が座禅の際などに使う座具のこと
二つ目は現在私たちが使っている寝具のこと
日本の文献に初めて「蒲団」という語句があらわれたのは、平安時代前期とされているそうです。
参考HP
http://mayanagi.hum.ibaraki.ac.jp/students/06/morioka.html
本来、「蒲団」は丸いものでした。
つまり、「団」とは、いろいろなものを集めて丸くしたものをいいます。
たとえば「一団」。
これは、多くの人間が集まって一つの固まりになることを意味します。
同じように「団子」も、丸い固まり状のものを指すことはいうまでもありません。
そこで蒲団です。
蒲とは、水草の蒲のこと。
この蒲を干して丸く編んだのが蒲団です。
直径30センチぐらいの円形でその中に蒲(がま)がつめられているものです。
蒲の葉で編んだもの、つまり、[蒲]の葉の[団]円、つまり、文字通り蒲団なのです。
もちろん偏平でかたく、こんなものの上では安眠は不可能です。
僧侶たちは、この蒲団を坐禅(ざせん)の時に座る席としたのです。
私たちは、座る蒲団のことを「座蒲団」と呼ぶが、元来の蒲団とは、この座蒲団のことを指しています。
ちなみに、インドの仏教修行者はこの蒲団を用いません。
彼らが座るのは長方形の布地の敷具です。
この長方形という形状のほうが、私たちが睡眠用に使う蒲団に似ているのだからおもしろいですね。
今日も柔らかく暖かい蒲団で寝れる幸せをうれしく思います。