仏教のことば:「庫裡(くり)」

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庫裡(くり)

供養や食事の調理などをする寺院の台所。
また住職やその家族の住んでいる建物。

庫裏(くり)とは、仏教寺院における伽藍のひとつ。 庫裡とも書く。 裡は裏の俗字であり、どちらも“うち”や“なか”を意味する。 また庫院ともいう。

「裡」の字は「裏」と同じ意味ですが、「裏側」の意味ではありません。
これは漢語で言葉の後に付き、「ある状態」などを示す言葉です。「秘密裏に云々」と言った場合に使われますね。
つまり「庫裡」は、「庫(ものを蓄えておく場所)ですよ」という意味なのです。
元は食事を作り、食べる為の場所、いわばお坊さんのダイニングキッチンでした。今では伽藍(僧侶の修行の場)と分け、生活する場所として使われています。
大きめのお寺ではコリが独立した建物として存在しますが、お寺の伽藍と一体化している所も多いです。

仏教寺院の伽藍の一つのことで僧侶の居住する場所を指します。
そのため結婚している住職の場合は住職およびその奥さんが庫裏を守っているということから住職の奥さんのことを「お庫裏さん」という呼ぶようになったと言われています。

仏教では基本的に僧侶の妻帯は禁じられており、日本の浄土真宗が初の妻帯可能な宗派になります。
つまり、実質住職の妻、「お庫裡さん」は日本だけにしかいないのです。
お寺のお庫裏さんはお寺にとっては欠かせないとても重要な方です。

お坊さん自身は檀家さんの家にお経をあげに行ったりお葬式に行ったりなどお寺を留守にすることが多いからです。

留守の間に常にお寺にいて、そのお寺を守っているのはまさにお庫裏さんになります。

ちなみに、妻帯可能な初の宗派は浄土真宗ですが、この宗派ではお庫裡さんとは呼びません。