仏教のことば:「年忌(ねんき)」

スポンサーリンク

年忌(ねんき)

回忌と同じ。
毎年めぐってくる死者の忌日。

年忌(ねんき)とは、祥月命日、また、その日に営まれる仏事のこと。
日本の仏教において、定められた年に故人に対して営まれる法要を、年忌法要(年回法要)という。
追善供養のために営まれる。

人が死亡したのち,年を単位としてめぐり来る忌日のこと。
一周忌(満1年目),三回忌(満2年目。
以後これに加算して回忌を数える),七回忌などと数える。
以下十三,十七,三十三,四十九,五十回忌と続く。
最終年忌を十七年目ないし三十三年目とするところが多い。
年忌には,一般に親族などが集って法要をする。
出典 ブリタニカ国際大百科事典小項目事典

年忌法要(ねんきほうよう)

亡くなられた方の命日に、故人を偲んで供養を行う(追善供養)こと。

一周忌・三回忌・七回忌・十三回忌・十七回忌・二十三回忌・二十七回忌・三十三回忌・五十回忌・百回忌などがあり、三十三回忌や五十回忌を供養のひとつの区切り(弔い上げ)とする宗派が多い。

神道の場合は式年祭と言い、一年祭・二年祭・五年祭・十年祭・二十年祭・四十年祭となる。

キリスト教の場合は死者への考え方が違うため、回忌法要のような決まった時期はないが、国内の場合などは、仏教式の時期に合わせ追悼ミサ・記念の集いが行われる場合もある。

いずれも宗旨宗派によって異なる場合があります。

法要とは?

一般に、私たちは「法事」と言っていますが、厳密に言いますと、住職にお経をあげてもらうことを「法要」といい、法要と後席の食事も含めた行事を「法事」と呼びます。

「初七日」とか「四十九日」「一周忌」ということばは聞いたことがあると思います。

故人が亡くなったあとに行う重要な法要です。

そもそも法要とは、仏になった故人を供養するという意味の仏教用語で、追善供養ともいいます。

法要は故人を偲び、冥福を祈るために営むものなのです。

冥福とは、冥途の幸福のことで、故人があの世でよい報いを受けてもらうために、この世に残された者が供養をします。

また法要は、故人が設けてくれた人と人とのご縁、「この人がいたから自分がいる」というつながりを再確認し、故人への感謝の思いを新たに、自分自身を見つめ直す場でもあります。

死後七日ごとに四十九日まで行う忌日法要(きびほうよう)と、一周忌、三回忌、七回忌、十三回忌などの年忌法要(ねんきほうよう)です。

仏教では、死後七週間はまだ故人があの世とこの世の間をさまよっているとされています。

この四十九日間を「中陰(ちゅういん)」と呼んでいます。

死後七日目から七日ごとに七回、閻魔大王(えんまだいおう)をはじめとする十王から、生前の行いに対してお裁きを受け、四十九日目で来世の行き先が決まるとされています。
残された家族は故人が極楽浄土に行けるように、故人に善を送る(追善)法要を営むのです。
年忌法要は極楽浄土に行った故人がさらなる精進の道へと導くために営みます。

忌日法要
初七日 しょなのか 命日も含めて7日目
二七日 ふたなのか 命日も含めて14日目
三七日 みなのか 命日も含めて21日目
四七日 よなのか 命日も含めて28日目
五七日
(=三十五日)
いつなのか
(さんじゅうごにち)
命日も含めて35日目
六七日 むなのか 命日も含めて42日目
七七日
(=四十九日)
なななのか
(しじゅうくにち)
命日も含めて49日目
百カ日 ひゃっかにち 命日も含めて100日目

一周忌、三回忌、七回忌、十三回忌、十七回忌、二十三回忌、二十七回忌とつづき、三十三回忌で長い修行の締めくくりとして、故人は菩薩(ぼさつ)の道に入り、「ご先祖さま=守り神」となります。
仏教ではさらに、五十回忌、百回忌と続きますが、一般には三十三回忌、もしくは五十回忌をもって「弔い上げ」とし、法事の締めくくりとしています。

仏教では輪廻転生(りんねてんしょう)という考え方があり、命日から四十九日の間に、故人が次に生まれ変わる世界(来世)が決まるとされています。

来世とは、天、人間、修羅(しゅら)、畜生(ちくしょう)、餓鬼(がき)、地獄の六道(ろくどう)のことです。

この間故人は七日ごとに、生前の行いに対して閻魔大王をはじめとする十王からお裁きを受けるとされています。

しかし、この六道の世界はどこへ行っても煩悩の苦しみがあり、それを超越した世界が極楽浄土です。

残された家族は故人が極楽浄土に行けるように、このお裁きを受ける七日ごとに故人に善を送る(追善)法要を営みます。

年忌法要
一周忌 命日から満1年目
三回忌 命日から満2年目
七回忌 命日から満6年目
十三回忌 命日から満12年目
十七回忌 命日から満16年目
二十三回忌 命日から満22年目
二十七回忌 命日から満26年目
三十三回忌 命日から満32年目
三十七回忌 命日から満36年目
四十三回忌 命日から満42年目
四十七回忌 命日から満46年目
五十回忌 命日から満49年目
百回忌 命日から満99年目

中陰(ちゅういん)や年忌(ねんき)等の法要について

インドでは、人間が生まれ変わり死に変わりするという「輪廻転生(りんねてんしょう)」が信じられてきました。
死後、次の生をうけるまで四十九日間あるとされ、この間を「中陰(ちゅういん)」あるいは「中有(ちゅうう)」といいます。
その間、遺族は7日ごとに供養をして、死者が少しでも良いところに生まれ変われるように願うのです。
このことから、日本では、初七日より七七日(四十九日、満中陰(まんちゅういん))までがつとめられるようになったと考えられます。

中国では、儒教の『礼記(らいき)』に「卒哭忌(そつこくき)」(士は三ケ月にして痛哭し卒わる)という行事があり、仏教ではこれをとりいれ、百という満数にして百ケ日の法要を行うようになったと考えられます。
さらに『礼記』に小祥忌(しょうじょうき)」「大祥忌(だいじょうき)」(親亡くして十三ケ月、二十五ケ月の祀(まつ)り)があります。
これらが仏教の一周忌、三回忌となったと考えられます。
なお、一周忌は人がなくなって丸1年をまわった日をいい(一回忌とはいいません)、丸2年をまわった日を三回忌といいます。
これは、亡くなった日が1回目の忌日、丸1年目が2回目の忌日、丸2年目が3回目の忌日であることによります。

三回忌までの法要はインド、中国の習慣を取り入れたもので、それ以降の年忌法要は日本で生まれたものです。
七回忌以降の年忌の数え方として色々な説がありますが、そのうちの2つを紹介します。
1つ目は、中陰の7という数字による説です。
つまり七、十七、二十七、三十七回忌を行い、これらの年を含めて7年目に営む法要を十三、二十三、三十三回忌といいます。

2つ目は、十二支による説です。
亡くなった年の干支を含めて十二支が半周回った翌年を七回忌といい、十二支が1回まわって2回目にあたる年を十三回忌、2回まわって3回目を二十五回忌、3回まわって4回目を三十七回忌といいます。

年忌の根拠は仏教、儒教、それにわが国の習俗も加わって歴史的に成立したもので、鎌倉、室町時代には今のような年忌法要が営まれるに至ったのです。