仏教のことば:「安居(あんご)」

スポンサーリンク

安居(あんご)

梵語バルシカ(雨季)の訳。
お釈迦様と弟子達は定住せずに布教活動をしたが、雨季に集まって定住し論議などをする特別な修行期間があった。
安居はこのならわしのことです。
四月十六日から七月十五日までの期間を夏安居(げあんご)または雨安居(うあんご)といいます。
禅宗では四月十六から夏安居、十月十六から冬安居としています。

インドでは6~10月頃、雨期となります。雨期には川が氾濫し、交通が困難になります。また、この時期は草木や虫がよく成長する時期にあたります。

そこで、足元の悪いこの時期に外出し、小虫を踏み潰したり、新芽を痛める恐れを考えると、出かけないのが一番、洞窟や寺にこもって修行に専念することになりました。これを安居といいます。

安居中の食事は在家の信者が運び、修行者から説法を聞くことを習いとしました。

この安居のための居場所が、お寺の始まりともいえます。この時代の寺は修行者たちの居住する場所であり、現在のような仏様をまつる寺ではありません。

お釈迦様が安居を行った場所は、1回目が鹿野苑、2~4回目が竹林精舎、5回目が大林精舎、以降44回目まで所々不明のところもありますが、記録されています。

よく知られている祇園精舎は14回目から登場し、竹林精舎と祇園精舎がとにも計5回で、一番多く安居が行われた場所です。

安居は雨季に行われるので雨安居うあんご、またその期間が夏なので夏安居げあんごとも呼ばれます。

インドは広いので、地域により雨期にズレがあります。そこで参加者のことを考えて、前中後の3種類の安居期間がありました。

4/16からを前安居、5/16からを後安居、その中間4/17~5/15の間に始めるものを中安居と呼びました。

そして安居の初日は、夏安居の制度を結ぶ、との意味で結夏けつげ、あるいは結制けつせいと呼ばれます。

最終日は、夏安居の制度を解くので解夏げげ、あるいは解制と呼ばれます。

安居の最終日には、参加者全員による反省と懺悔さんげの会が催され、修行者に対する色々な供養も行われ、終わると修行者は各地へ出発しました。

この最終日の修行者に対する供養が、お盆のいわれにつながります。