仏教のことば:「具足戒(ぐそくかい)」

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具足戒(ぐそくかい)

比丘・比尼丘の守る戒律。
大戒ともいいます。
比丘は二百五十戒、比尼丘は三百四十八戒。
仏教教団にはいることを意味する。
具足とは、完全な、欠けたもののない、の意味です。

仏教では、在家の人には五戒という5つのルールがあります。
出家して僧侶になるには、「具足戒(ぐそくかい)」を守らなければなりません。
具足戒には、男性なら二百五十戒、女性なら三百四十八戒あります。
(女性の三百四十八戒は、きりのいい数字で「五百戒」ともいわれます)

「戒律」の「戒」と「律」ではもともとは意味が違います。
「戒」は、さとりを目指して個人的に頑張る決まりです。
善い習慣のようなものです。
「律」は僧侶の集まりの生活上のルールで、罰則があります。
学校でいえば校則みたいなものです。
しかしこの2つは混同されて、男性の僧侶の二百五十戒は正確には「律」ですが、「二百五十戒」とも「具足戒」ともいわれます。

『首楞厳経』に
「心を摂するを戒と為す。戒によって定を生じ、定によって慧を発す」
と説かれているように、仏教では、さとりを目指すのに、「戒・定・慧(かいじょうえ)」の「三学(さんがく)」が必要です。
戒律は、さとりを求める上で、非常に重要なのです。

大人が出家するときには、受戒しなければなりません。
受戒には、僧侶になった後、責任を持って指導する和尚と、受戒の儀式を主催する羯磨阿闍梨、受戒する人に問題がないか調査する教授阿闍梨の3人と、立ち会う僧侶7人の合計10人の僧侶が戒壇上に立って儀式をする必要があります。
これは地方なら5人でも可能ですが、それでも最低5人の僧侶が必要です。

このような受戒をした人が、出家の僧侶です。

男性250戒、女性348戒あります。

一番重いのは、永久追放になる4箇条があります。
男女の交わり、殺人、大泥棒、大嘘の4つです。

次に重いのは7日間懺悔するもの13箇条があります。
誤って異性に触れる、規定以上の大きさの家に住むなどです。

その次は、所有に関する罪30箇条で、所有し過ぎたものは没収になります。

僧侶は三衣一鉢で生活しなければならないので、例えば4着目以上の衣や、2個目以上のお碗は没収です。
もちろんお金は所有してはいけないので没収です。

その次は90箇条あります。
嘘や、両舌、飲酒、非時食などがあります。
ちなみに前のと合わせてこれら120箇条の規則には
「地獄に堕ちる罪」という名前がついています。

その他にも、あと113あります。

女性の場合、永久追放になる罪も、7日間懺悔になる罪も、4箇条ずつ増えます。

その他、男性より100箇条近く増えます。

この具足戒を守る人が、出家の僧侶であり、女性なら尼さんです。

律には、具足戒を受けて比丘になった以上は、比丘として「絶対に」やってはならない四ヶ条が示されており、これを犯せばただちに比丘の資格を失って、僧団から永久追放されます。

これを波羅夷罪[はらいざい]と言い、それが比丘の場合、四ヶ条あることから四波羅夷と言われます。