仏教のことば:「悪口(あっこう・あっく)」

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悪口(あっこう・あっく)

「妄語をいい、綺語を好み、悪口して他を罵(ののし)り、両舌して他の親好を破することを、口の四悪業という」と、『十善法語』という仏書に書かれています。

妄語はうそをつくことです。
綺語は真実にそむいて巧みに飾りたてた言葉。
悪口は人をあしざまに言うことです。
両舌は両方の人に違ったことをいい、両者を離間して争わせることで、二枚舌のことです。
この4つは、口でしゃべる悪の行為だといいますから、慎まなければなりません。

悪口は一般に「わるぐち」とか「あっこう」と読みますが、仏教では「あっく」と読みます。
悪心をもって人に悪言を加え、相手を悩ませ、傷つけることです。

悪口を仏教では、わるくちではなく「あっく」と読みます。

悪口雑言はあっこうぞうごんと読みます。

漢字って難しいですよね。

お釈迦さまが、人生を最悪の状態から守るための指標として、十悪というものをつくりますが、悪口はその中の一つです。

さらに「妄語(うそ)」「綺語(きれいごと)」、「両舌(二枚舌)」、さらに「愚痴」もあわせると、10のやってはいけないことのうち、半分は「言葉」に関するものです。
そのほかの十悪が人殺しとか盗みだということを考えると、圧倒的な数です。

禅には、「活人剣」という言葉があります。

言葉は人を活かす剣であれと。

『十善法語』十善戒

不殺生(ふせっしょう) 故意に生き物を殺さない。
不偸盗(ふちゅうとう) 与えられていないものを自分のものとしない。
不邪淫(ふじゃいん) 不倫をしない。
不妄語(ふもうご) 嘘をつかない。
不綺語(ふきご) 中身の無い言葉を話さない。
不悪口(ふあっく) 乱暴な言葉を使わない。
不両舌(ふりょうぜつ) 他人を仲違いさせるようなことを言わない。
不慳貪(ふけんどん) 異常な欲を持たない。
不瞋恚(ふしんに) 異常な怒りを持たない。
不邪見(ふじゃけん) 誤った見解を持たない。