仏教のことば:「妄語(もうご)」

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妄語(もうご)

五戒の一つ。
真実でないことを口にすることです。

五戒の一つ。
真実でないことを口にすることです。

仏語。うそをつくこと。法を会得していないのに会得したように言うことや、不実な言葉。
十悪の一つ。時に、妄語戒の略称ともする。

十悪 じゅうあく

十善戒の各項目から不を取ったものが十悪です。人の行為から三種類に分類できます。

■身による悪
殺生 生きものの生命を奪う。
偸盗 与えられていない他人の財物を取る=盗み。
邪婬 よこしまな男女の交わり。
■口による悪
妄語 嘘をつく。でたらめを言う。
綺語 無意味、無益なことを言う。
悪口 他人を傷つける言葉。陰口、中傷。
両舌 他人の仲を裂く言葉。
■意(心)による悪
慳貪 財物などをむさぼり求める。異常な欲。
瞋恚 いかり憎む。
邪見 誤った見解。

これら十の戒法は、いずれも御仏が護持されている心であり、十善戒の実践こそ、善行の第一歩であろうかと思います。

十善戒 じゅうぜんかい

10項目からなる善の戒めを十善戒と言います。戒めですから律とは異なり自発的なものです。特に十善戒は、生き方、人としての道、を示したようなものです。

不殺生ふせっしょう不偸盗ふちゅうとう不邪淫ふじゃいん不妄語ふもうご不綺語ふきご不悪口ふあっく不両舌ふりょうぜつ不慳貪ふけんどん不瞋恚ふしんい不邪見ふじゃけんの10項目です。

いずれも最初に不が付いているので、つづく二文字のことをしない、と言うことになります。十善戒は悪をやめ、善を行わせる戒です。

不妄語戒

仏教徒の生活規範ともいうべき「五戒」の第四が、「不妄語戒」です。
世界にはさまざまな言語がありますが、言葉を相互交流の手段にするのは、人間だけの特徴です。他者に幸福を伝えるのも言葉を通してならば、逆に他を傷付けるのも言葉です。
あらゆる宗教が人間関係の枢要(すうよう)としての言語の使用について、厳しい制約を設けるのは、本来、一つのいのちから派生したはずの我々であるのに、自他を「わたし」「あなた」という言葉によって区別し、そこに優劣をはじめさまざまな差違を主張するようになるのです。
こうして人間における言語の使用は、仏智・神智ヘの叛逆という結果となって、対立・混乱の世相を助長してきたのです。
五戒では、悪口(汚い言葉)、両舌(二枚舌)、妄語(うそをつくこと)、綺語(おべんちゃら)のすべてを「妄語」取り込んで、これを戒めるのです。