仏教のことば:「正月(しょうがつ)」

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正月(しょうがつ)

新年明けましておめでとうございます。
皆様からのご支援のおかげでめでたく2020年を迎えることが出来ました。
今年も皆様に「仏陀の教え」「一日一生」を読んでいただけるようなサイトにしていきたいと思っています。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

年の初めと言うことなので今日は、「正月」について


言葉の上では、一年の初めの月の呼び名・祝い・行事をさします。「正」が年の初め、年の改まる意味がある事から「正」月となりました。

仏教伝来以前、日本では半年ごとに、先祖の魂を迎えていました。仏教の影響が大きくなるにつれて、夏の先祖迎えは盂蘭盆会となり先祖供養、仏教色が強くなり、正月は神祭り、年神様を迎えて、新年の豊作を願う月、五穀をもたらす年神様を祭るようになりました。

「徒然草」には、東国の風俗として、歳の夜には亡き人の来る夜だというので、魂祭を行う風習があったとしていまた。当時の京都ではすでに行われず、東国での遺風とされ、これは、おそらくお盆に火を焚く迎え火の行事と考えられています。

現在でも東日本の各地で、大晦日に祖霊供養のためにミタマの飯とかニダマと呼ぶ飯を仏前に供える風があり、西日本でも元旦にいわゆる年頭墓参の行事があるのは、いずれも魂祭の作法です。

お盆が仏教的行事としてその色彩を濃くするのと対照的に、正月は神祭の意識を強めています。

お盆の祭りには、祖霊の供養と祭る人のいない、餓鬼・亡魂の類への手向けが行われ、正月の魂祭には粗霊の霊魂とは別に歳神または歳徳神という特別の神格が考えられ、そのために恵方棚などを設け、正月を年神の祭りとして理解しました。

火祭りを行う事は盆も正月も同様ですが、盆は迎え火・門火・高灯籠など、戸毎の行事が多く、それは粗霊の去来する道筋を照らすもののように教化され、正月の火祭りは鬼火などと称して、悪鬼・悪霊等を追い払うという火祭り本来の意義を残しており、規模として村共同で行うものがいるものが多くあります。

お盆と比べて、正月のもっとも異なる点は、農耕儀礼の行事が多い事です。

これは、トシと言う言葉が実りを意味する言葉で、年のはじめに豊産を祈るために予祝の行事を行うからですが、お盆にも七日盆、また七夕には農耕関係の祈願の行事も多くあります。

正月行事は、正月準備の開始日として、十二月十三日を用いる事が多く、正月始め、正月の事始め等と言います。

昔、朝廷では群臣が御竃木(おかまぎ)を奉った信仰と同じように、この日から暮れまでに年木を取り、神社や民間で大晦日の深夜に火を改め、年木を焚いて正月中絶やさぬ風習が残っています。

門松は元旦の前一日は少なくとも休ませておくものとされ、松迎え等と称する行事を陰暦なら二十八日以前に行い、餅も九日餅を忌む風習があります。

年越しの夜は寝ずに静かに謹慎して年神を迎えるのが本来の有り様で、その解斎(げさい)の食事が雑煮です。

現在でも九州等、祭日に神社でお籠りする風習のある所では、家々で年籠りの行事が残っています。

その他の地方でも、除夜に名神大社に社参する風習が広く行われ、除夜の鐘を境に二年にまたがるので二年参り等と言う所もあります。

元旦の朝、または年頭に初参りと称して神仏にもうでるのも参詣の変形と考えられています。

元旦から七日までを「大正月」「松の内」。
一月七日を「七日正月」「七草の節句」。
十五日を「小正月」「二番正月」。
二十日を「二十日正月」「骨正月」等と呼び、二十日を正月の終りとする地方が多いようです。

一月は、様々な行事が目白押しで、○○始め、初○○と呼んで特に重要視しています。

正月行事と盆行事(仏教と神道の分担)

正月とは、年神あるいは歳徳神と呼ばれる神を各自の家に迎え入れてこれを祀る行事です。
年神・歳徳神は各自の家のご先祖様の集合霊で、ご先祖様が各自の家に戻って来られ、家族がみんなそろって年神と一緒に食事をするー神人共食ーのが正月行事です。
正月には各自の家が祭場となる。
正月は、大晦日12月31日(昔の日本人は1日の始まりを夕方に置いていた)に始まる。
ご先祖様は、大晦日の夕方に帰ってこられる。
門松は、神の依り代で我が家の目印です。
本当は、ユニークな門松でなければならない。
大晦日の夕方に年神に神饌を供えて、翌朝その神饌をおろしてみんなで食べる。
そのごった煮が雑煮です。

(正月の箸が両端が丸くなっているのは、一方は年神が使われるからです。)正月の行事は、神道の祭りと思われている。

その一方、一年の中でご先祖様がもう一度帰ってこられるのがお盆です。

昔の人は、亡くなると精霊(ショウリョウ)になると信じていた。
精霊流しという風習もここからきている。
精霊とは、死んだばかりの霊魂で自分の死を受容できない荒れたいわゆる荒御魂(あらみたま)で怨念を持っている。
これを仏教のお坊さんが葬儀と法要を行ってなだめる。
精霊は、49日間で相当おとなしくなる。
1周忌を迎える頃にはさらに静まるが、完全にはおとなしくはならない。
この段階の霊魂を「仏」と呼ぶ。
まだまだ荒れた霊魂なので、仏の供養を続ける。
1周忌、3回忌、7回忌、13回忌、17回忌、23回忌、27回忌、33回忌と供養を続けるうちに、仏は荒御魂から和御魂(にぎみたま)に変わっていく。
完全に和御魂になった状態が神(カミ)です。
33回忌(弔上げ)で仏教僧の仕事は終わり、以後は神道が神(カミ)として死者を祀るのです。(一部では、50回忌をもって弔上げとしている。)

この仕組みが出来上がったのが江戸時代です。
仏教と神道が分担して協同して先祖を祀るという「日本的先祖崇拝」が出来上がったのです。

したがって、盆と正月は同じ行事です。
昔は、盆の挨拶に「結構なお盆で、おめでとうございます」と言っていたといいます。
また、死者を出した家の人には、「新盆でお淋しゅうございます」といいます。

正月、一月一日は、仏教においては「修正会(しゅしょうえ)」と言います。

このことは、年末の記事でもお伝えしていました。

日本仏教において、主な年中行事として、大体どの宗派でも、修正会については書かれていると思います。

修正会は、「正月・年の初めに、寺では社会の平和と人々の幸福を祈り、法会を修す」というものです。

今年一年、世界が平和でありますように。皆様が幸福になりますように。