仏陀の物語(13)無常について説く

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無常について説く

ラーダ(羅陀)はまた、「無常」とは何であろうかと質問しています。

無常をいかに心得たらよいのか、われわれは日常の生活の中で中々に生かすことは出来ないでいます。

仏陀(釈尊・釈迦)は率直に説かれています。


「われわれの肉体(色)も、感覚(受)も、表象(想)もすべて無常なのです。

また、意志(行)も、意識(識)もまた無常です。」

色、受、想、行、識とは、人間の存在のありかたを、物質的要素(色)と精神的要素(受想行識)に分析して説いたものです。

仏陀(釈尊・釈迦)はその五薀がすべて、移ろい変らぬものはないのであるとラーダ(羅陀)に説いているのです。

この世にあるものすべては、変転しているのです。

中国人はこれを「飛花落葉」と表現します。

自然の有りようによって、人間の無常を省みるということでしょうか。

仏教の教えには

無常(むじょう)・苦(く)・無我(むが)があります。

無常・苦・無我は仏教の教えの中でも重要です。四諦聖の実践で得られる「悟り」とは、「無常・苦・無我」を悟ることです。いわば、無常・苦・無我は悟りの内容そのものになってきます。

無常・苦・無我を悟ったから「悟り」ともいえます。

仏陀(釈尊・釈迦)の「無常・苦・無我」は明確です。

・無常・・・森羅万象の全ては「常に変化」している
・苦・・・森羅万象は苦である
・無我・・・森羅万象の全てには「永遠に固定されたもの(我)は無い」

というものです。

無常・苦・無我は「三相」ともいって、実は、同じ事をいっています。涅槃を得た真理に対して、三つの側面から表現したものが「無常・苦・無我」であるといいます。

また三法印としても表現されています。

諸行無常
諸法無我
一切皆苦

これも有名な表現ですね。
無常・苦・無我を端的に言いあらわしたものです。

無常・苦・無我とは、要するに、全ての物事は、

全てのものは常に変化していて一定ではなく(無常)
全てのものには永遠不滅の実在もなく(無我)
変化性である一切のものは苦である(苦)

ということになります。

非常にシンプルですね。仏陀(釈尊・釈迦)で説かれる無常・苦・無我は大変分かりやすくなっています。そうして仏陀(釈尊・釈迦)は当時、このように分かりやすい言葉と表現で、人々に無常・苦・無我を説いていたわけです。